<34組柴田文江さん>

34組の柴田です。
1月9日、神楽坂で行われた恩田陸さんのインタビューにみんなで行って来ました。その時の感想です。

事の発端は、昨年の4月、36組の藤井(浜口)さんからの電話でした。
「『夜のピクニック』って小説知ってる?読んだ?」
「知らない!読んでない」「誰が書いたの?」
「恩田陸」
(知らない・・・)
「とにかく読んでみて!」
「どうして?」
「理由を言ったらわかっちゃうから教えられない。でもとにかく読んでみて!」
「私は鈴木一弘君(39組)から薦められたンだけどおもしろかったよ、じやあね。」
と切れました。
「なんなの???」

翌日、小説の好きな私は、書店に行き、店頭に平積みになっている恩田さんの本に会いました。手にとって見ました。3ページ目『白いジャージ』で「あっ!」と思いました。でもその日は、手にとっただけで買いませんでした。一高か、と思い、読みたいけれど、抵抗もあるという感じでした。でも3日後には、読みたい気持ちの方が勝ち、購入の運びとなりました。ちなみに私は、毎月読んだ本の題名を手帳に記載し★5から★なしの6段階で採点しています。『夜のピクニック』は★★★★★でした。小説はたくさん読みます。私にとって本は息をするのと同じくらいにないと困ります。話の展開を楽しませてもらうと同時に、私はその作家と一緒に(でも私からの一方通行で)考えるのが好きです。

そういう小説の楽しみかたなので、1/9急きょ、恩田陸さんのインタビューに同行することになり、実際に作家に会うのはまずい、困ったなと思いました。いろいろ聞いてしまっては、元も子もないというところでしょうか?

実際にあった恩田さんは、とっても気さくで、かわいい感じの人でした。歩く会が2度も中止になった学年として、歩く会には、屈折した思いがあると言うところから、私達は話を始めました。恩田さんは「歩く会が中止になるなんてことあったんですね?」と不思議そうな顔になりました。そうなんです。悔しいから忘れた振りをして、そのうち実際に忘れてしまっていた歩く会。私達も3年の時、きちんと最後まで歩けたら、『夜のピクニック』みたいに3年間のわだかまりを解く、溶く、融くことができたのでしょうか?
みなさんはどう思われますか?

では、同窓会当日の、恩田陸さんのインタビューをお楽しみに!


<35組松本和彦>

35組の松本です。

1月9日(月)成人の日、恩田陸さんへのインタビューがありました。インタビューアの人数があまり多いのは良くないので、私はインタビューには参加せず、懇親会と二次会への参加でした。

私は昨年6月まで、恩田陸さんのことを全く知りませんでした。名前くらいはどこかで見たことはあったはずだとは思うのですが、記憶のどこにも残っていない。6月に初めて参加した幹事会で恩田さんの名前と「夜のピクニック」という作品のことを知り、その後本屋でなんと平積みになっている「夜のピクニック」を見て、今までなぜ気づかなかったのだろうと唖然としました。週3回くらいは本屋に立ち寄っているのに。とりあえず買っておこうと購入したものの「積ん読」状態で、読み始めたのは歩く会の当日。でも読み始めると面白く、一気に読み終えてしまいました。たった今行われている歩く会のことを想像し、私の高校時代の歩く会の光景がよみがえり、2回も途中で中止になった悔しさがよみがえり、さまざまな郷愁を感じながら。

歩く会を題材にこんなに面白い小説を書くことのできる恩田さんはどんな方なのだろう。テレビ取材は一切お断りするという話を聞いていたので、もしかすると気難しい方なのだろうか、と楽しみの一方でちょっと不安を感じていました。しかし、堀之内くん(39組)と懇親会会場の神楽坂の鳥茶屋で待っていると、「こんばんは!」と元気な明るい声で部屋に先頭で入ってきたのが恩田さん。不安は吹き飛んでしまいました。実際お話をしてみて、本当に親しみやすい感じ。話の内容についてはインタビューと重なることもあるかも知れないのでここでは書かずにおきます。驚いたのはお酒が強いこと。ビールが大好きだそうで、発泡酒は飲まない。朝までビールでもOKだそうです。とても信じられません。おかげで酒の弱い私もつられて飲んでしまい、翌日は頭痛が残ってしまいました。でも楽しいひとときでした。

ここでエピソードを一つ。

「夜のピクニック」を読んで以降、「六番目の小夜子」など何冊かの恩田作品を読んでいますが、インタビューの日に読んでいた本は「ねじの回転」(文庫本で上下2巻)の下巻でした。そこで恩田さんにサインをいただいたのですが、翌日、会社の帰りに電車の中で続きを10ページほど読み進めたところ、びっくり。「ねじの回転」は二・二六事件を題材としたSFですが、「マツモト」と呼ばれている国連職員がただ一人の日本人として登場してきます。他の職員はファーストネームで呼ばれているのになぜファーストネームで呼ばれないのか、という質問をされて答えている中で、フルネームが明かされるのですが、なんと「松本和彦」! 後半では重要な役回りを演じることになるのですが、恩田さん、サインをしながらきっと心の中では笑っていたのではないでしょうか。教えることはできないでしょうから。サインをいただいた本は家宝にします。

私が今まで読んだ8冊の作品で、はずれの作品はなし。これだけのエンタテイメント性をもった作家は、お世辞ではなくそう多くはないと思います。まだ作品を読まれたことのない方は是非一冊手にとってみてください。

同窓会当日にはインタビューの模様が紹介されます。みなさんお楽しみに。

東京知道会50周年記念総会のイベントとして、52年卒制作ビデオ「もう一つの『夜のピクニック』が上映されます。その準備としてH18/1/9に恩田陸さんにインタビューを行いました。インタビュー内容は総会当日に公表されますので掲載できませんが、34組柴田文江さんと35組松本和彦(HP管理人)の感想を掲載します。