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小池くんのシンガポール便り

【同級生の近況】掲載:平成18年1月22日

シンガポール在住の小池英幸くん(33組)がシンガポール便りを寄せてくださいました。


シンガポールからご挨拶申し上げます。        小池英幸


 皆さん、たいへんご無沙汰しております。サッカー部におりました33組の小池です。

 先般、33組幹事の島田君よりご案内を頂き、とても懐かしい思いで、30年前の日々を振り返っているところであります。ついさっきのことは、いともたやすく忘れてしまうのに、あの頃のことは鮮明に蘇ってきます。特に、今だから言えるような数々の悪行は。キーワードは、”東京ボンボン”、”丸愛”、”中”、などなど。

 私は現在、仕事の関係でシンガポールに居ります。2003年10月に参りましたので、在星3年目になります。日本は正月休みが明け、すでに平常に戻っているでしょうが、こちらは、これからが本番です。国民の8割近くが中国系でありますので、旧正月を盛大に祝う習慣があります。今年は、1月29日が元旦にあたり、すでに浮き足立っている人も多いように見受けられます。

 国家としてのシンガポール共和国は、1965年に当時のマレーシア連邦より分離独立し、誕生しましたので、まだ40年しか経っておらず、我々よりも若い国です。とは言え、イギリスの統治が長かったこともあり、コロニアル様式の建物も多く残り、歴史を感じさせてくれます。

 諸制度は、何事もイギリス流で、英語も公用語の一つなのですが、ご存知の方も多いかもしれませんが、この英語が極めてユニークかつ曲者で、”Singlish”と呼ばれているほどです。典型的な例として、”Ok”は、”Ok lah”、”Never mind”は、”Never mind lah”といった具合です。来た当初は、話には聞いてはいたものの、かなり戸惑いましたが、今や、自分でも当たり前のように言ってしまうほど、現地化してしまいました。

 偉そうなことは言えないのですが、書く文章も総じて滅茶苦茶。特に文法的には、ルール無用のデスマッチ状態です。こんな文章だと赤点だぞと言えば、彼らは”Never mind lah”と答えるのです。

 この国はいわゆる多民族国家で、大多数の中国系のほか、マレー系、インド系の人たちがおりますが、現在の肌の色で言えば、私は、インド系には及びませんが、マレー系の資格は十分にあるかも知れません。

 シンガポールで暮らしてみて、素晴らしいと感じるところは、まず、治安の良さです。正直に言えば、この国は多少、退屈なところがあるのですが、家族帯同の身としては、治安の良し悪しは最大の関心事です。その意味において、不安は全くないと言って良いほど安定しております。

 また、医療も充実していますし、公共交通も良く整備されておりますので、生活する上で何ら不自由を感じることがありません。

 さらに、多少、人工的な印象はありますが、市中はきれいで、”ガーデンシティ”と呼ばれているほど、公園が多く、年中、花や緑に溢れています。茨城育ちには、ありがたいことです。ただし、毎日が年中無休の真夏日ですが。そのせいもあってか、仕事の方は、適当にやっています。(30年前も同じじゃないかという声が聞こえる気がしますが。)

 仕事柄、近隣の国々に出張することが多いのですが、印象はそれぞれ異なるものの、東南アジアの中では、シンガポールは明らかに先進的で、特異な存在と言えるかも知れません。個人的な印象ですが、人間臭さ、生活臭、エスニックな雰囲気を味わいたいのなら、シンガポールは期待外れかも知れません。

 休日の過ごし方は、パターン化されており、日系スーパーやデパートへの日本食材の買出しか半ば修練と思って耐えているゴルフが主であります。

少々値は張りますが、おおよその食材は手に入りますし、日本食レストランも多く、困ることはありません。ただ、贅沢なことですが、たまには、藁に入った納豆、できれば、天狗納豆が食べたいという気持ちになることはあります。

 この暑い南国でのゴルフは、上手い人にとっては、ちょっとしたリゾート気分かも知れませんが、私には、サッカー部の夏合宿を思い出させてくれる代物なのです。

 残念ながら亡くなられたサッカー部監督、舘(峯田)先生の”蹴ったら走れ”の言葉が耳から離れず、これをゴルフでは、”打ったら走れ”という言葉に変換し、クラブを2−3本抱えて走り回っているのであります。(恥ずかしながら事実です。)30年前の恩師の教えを今でも忠実に実践しているのであります。

 違うのは、30年前は、合宿の練習が終わると、江山閣に戻り、熱い麦茶に砂糖をふんだんに入れて飲んだり(これは公認)、保健室に忍び込み、冷蔵庫に何故かあったカルピスをちびちび飲むか(もちろん、非公認、今でも忘れられないあの美味かったこと)でしたが、今は、ラウンドが終わると、ご当地ビールの代表タイガーをがぶがぶ飲んでしまうという点です。

 シンガポール島内でのプレーは日本並みに高いこともあり、プライベートでやる時は、パスポート持参で、隣のマレーシアのジョホールバル(車で1時間から1時間半ほど)やインドネシアのバタム島、ビンタン島(フェリーで1時間弱)へ出かけます。もちろん、コースによって値段は違いますが、週末で、食事を含めて、日本円換算6−9千円程度でしょうか。会社の連中からは、シンガポールに来て、ゴルフが上手くならなかった奴はいないと言われていますが、この調子ですと、どうも例外を作ってしまうことになりそうです。

 さて、同窓会当日は、卒業以来の再会となる友も多く、私の記憶の中では、18歳当時の姿のままですので、果たして、何人分かることやら、少々不安ではありますが、大きな楽しみでもあります。それに、久々に、正調茨城弁の世界にどっぷりつかれるのも楽しみです。さらに、在校中、散々、ご心配、ご迷惑をお掛けしてしまった先生方にお目にかかれることは、この上ない喜びであります。

 最後に、高瀬先生のご指導にも拘らず、47歳となった今でも、相変わらずの悪文で、貴重な当コーナーを汚していまったことをご容赦いただきますよう切にお願いして、筆を置くことといたします。