大島くんの香港便り (4/8)

【同級生の近況】掲載：平成19年8月5日

出前一丁

　今でも鮮明に覚えているのは、香港に赴任した翌朝。「やっぱり香港に来たら朝飯はローカルフードだ。」と、アパートの近所にある茶餐店（日本流に言うと喫茶店と大衆食堂の中間？）へ入り、メニューを見ると、そこにはこう書いてありました。「朝食お勧めセット：ハムエッグ + トースト＋コーヒー＋出前一丁」（実際には、「推奨早餐：火腿蚤＋多士＋珈琲＋出前一丁」とか漢字で書いてあった記憶あり）。ん？　出前一丁って何だ？　何で、卵とトーストとコーヒーの朝食セットに出前一丁って書いてあるんだ？　これはもしかして、香港でしか食べられないメニューかも知れない。よし！これを注文してみよう。そう思った私は、店員に「これ下さい」と注文しました（実際には言葉が通じないので、メニューを指差した）。10分後にテーブルの上に並んだ料理を見て思わず息を呑みましたね。ハムエッグと、厚切りバタートーストと、コーヒーと一緒に、どんぶりに入った具の無いインスタントラーメンが目の前にあるではないですか。そうです。あの「ごまラー油味の出前一丁」が、卵＋トースト＋コーヒーとセットで朝から出て来るのです。後から知ったのですが、香港で出前一丁というのは、他のインスタントラーメンメーカーがいくら頑張っても追随出来ない香港インスタントラーメン界の頂点らしく、「うちは出前一丁出しますよ！」と宣伝するのが茶餐店の格を上げるのだそうな（本当かよ？）。日清食品（香港）も頂点の座に甘んじることなく、半ば面白がって次々に新味を出すもんだから、今や30種類以上の味が揃ってます。XO醤味とか海鮮味とかは当たり前で、トムヤムクン味とかラクサ味とか何でもあり。香港で日本へお土産を買うなら、出前一丁全種類を揃えて買って帰ると喜ばれると思います。それにしても、朝からトーストと一緒にインスタントラーメン食べるか？